あなたの源泉徴収票は正しいですか?1
さて、今回は「収入と所得の違いとは?」でも軽く触れました、「源泉徴収票」を見ていきましょう。
年末や年始にさらっと渡されるこの源泉徴収票。
ほとんどの方が内容を確認することはないと思います。
最近では、上の画像のような手書きは少なく、パソコンソフトでぱぱっと作成できてしまいます。
私が勤めておりました税理士法人(会計事務所)では、何重にもチェックする仕組みになっておりましたが、それでもやはり、ごくまれに間違いが後々判明することがありました。判明していないものもおそらくあると思います。
1社あたり少なくとも10名、多い場合には数百名の年末調整を一気に行います。間違いはあってはならないものですが、どうしても人間の手作業であり、期限のある手続きですので、ミスが生じてしまうこともあります。
つまりは!あなたの源泉徴収票は正しいですか?ということです。
そこで、源泉徴収票の確認方法を今回はお伝えできればと思います。
前回にも登場しました、加工後のサンプル税太くんの「源泉徴収票」です。
ぜひお手元にあなたの(又はご家庭の)「源泉徴収票」をご準備の上、一緒に確認していきましょう。
まず、赤①の「支払金額」は、前回お伝えしましたとおり、「一年間の収入金額の合計」のことです。
こちらは、毎月の給与明細の「総支給額」「支給金額合計」などと記載されている金額を一年分合計した金額が書いてあります。
こちらを確認するためにも、最低一年分は給与明細を保管しておいてくださいね。
次に青②の「給与所得控除後の金額」です。
名前だけですでに難しそうですが、「給与所得控除」に関しては後日改めてご説明できればと思います。
「給与所得控除」は、以下の計算式で計算することができます。
平成25年分以後の給与所得控除の計算式
給与等の収入金額 (給与所得の源泉徴収票の支払金額) |
給与所得控除額 | |
---|---|---|
1,800,000円以下 | 収入金額×40% 650,000円に満たない場合には650,000円 |
|
1,800,000円超 | 3,600,000円以下 | 収入金額×30%+180,000円 |
3,600,000円超 | 6,600,000円以下 | 収入金額×20%+540,000円 |
6,600,000円超 | 10,000,000円以下 | 収入金額×10%+1,200,000円 |
10,000,000円超 | 15,000,000円以下 | 収入金額×5%+1,700,000円 |
15,000,000円超 | 2,450,000円(上限) |
↑
しかし!年収660万円以下の場合は、この計算式は使いません!
実際にお手元の「源泉徴収票」を当てはめて計算してみてください。金額は一致せず、数百円から数千円の差がでます。
実務の衝撃です。なので、今回は実務で使う資料のページをご用意しました。
給与所得控除後の金額の表 (PDF)←(資料元:国税庁HP)
上記の国税庁HPの資料から、今回の「源泉徴収票」の「支払金額:4,303,628円」を探し出すと、赤線の部分が該当します。
すると、一目瞭然、青②の金額と一致します。これで確認は完了です。
こちらはソフトで計算されている場合はほぼ間違いがないと思っていただいてかまいません。
少し長くなってしまいましたので、緑③以降は、次回の「あなたの源泉徴収票は正しいですか?2」で説明したいと思います。
ここ分かりにくいなぁ、という点がございましたら、コメント等いただけると幸いです。
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※上記の内容は、平成26年9月13日時点の法律に則って記載しております。
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