生命保険料控除の節税ケース1 ~終身保険で運用しよう~
それでは、今回からは生命保険料控除を使った節税のケースを見ていきたいと思います。
これから保険の加入や見直し、節税対策をされる方はぜひ参考にしてみてください。
生命保険は「金融商品」です!
まずはじめに、「生命保険」そのものに対して、「命をお金に換算するなんて!」とおっしゃる方がたまにいらっしゃいます。
そういった方はこれから先の内容を絶対に行わないようにお願いします。
「生命保険」は、「金融商品」という位置づけです。
つまり、生命保険会社は集めたお金を運用して利益を出している企業であり、私たちが「保険」を掛けているということは、生命保険会社に「投資」をしているという感覚もお持ちいただきますようお願い致します。
それを踏まえまして、私は「生命保険」は「保障」と「運用」の2つの側面があると考えております。
これからの内容はほとんど全てが「保障」と「運用」のバランスを保つことで成り立つ内容です。
「保障」がどれぐらい必要なのか、「運用」にどれぐらい資金が回せるのかを考えながらお読みいただけると幸いです。
支払った保険料以上にお金が返ってくる?!
保険商品には、「返戻金」があるものとないものがあります。
簡単に申しますと、支払った保険料の内、解約した際にいくらかお金が返ってくるもの、期間満了時にお金を返してもらえる契約のもの、があります。
基本的には「掛け捨て」と言われる、返戻金がないタイプの保険商品が多いです。
ですが、中には支払った保険料合計よりも多くなって返ってくる保険商品があります。
私が個人的に加入している保険は、「低解約返礼終身」という保険で、一定期間(自分で決められます)は解約返戻金(保険を解約した際に返ってくるお金です)が30%~70%ほどしかないが、その一定期間経過後には100%以上になって返ってくるという契約の保険商品です。
私は「生命保険料控除」を満額受けるために、月額9,144円の保障にして「運用」しております。
一定期間を「15年」と定め、平成19年に加入しておりましたので、平成34年には100%以上になって戻ってきます。
しかし、このような保険商品はあまり営業してもらえません。
なぜなら、保険会社や保険代理店が儲からないからです。逆に見れば、こういった保険を案内してくれる方は、少しは信用できるのかもしれませんね。
「運用利回り」を計算してみよう!
実際にどれだけ「儲け」が出るのかを見ていきたいと思います。
保険料 9,144円×12ヶ月×15年=1,645,920円
となり、合計で1,645,920円支払う保険商品です。
こちらが、15年経過後に119.6%になります。しかも、解約せずに置いておけば一年あたり約1%返礼率が大きくなります。
「1,645,920円×119.6%=1,968,520円」となり、差額322,600円が「儲け」となります。
合わせて、生命保険料控除のメリットを見てみましょう。
所得税「生命保険料控除50,000円×15年×所得税率5%(最低税率)=37,500円」
住民税「生命保険料控除35,000円×15年×住民税率10%=52,500円」
15年間合計で、あくまで最低税率でみても、「37,500円+52,500円=90,000円」の節税メリットがあります。
それをさらに「運用利回り」として計算してみましょう。
(「返戻金」1,968,520円+「節税メリット」90,000円)÷支払保険料総額1,645,920円=1.2506・・・→125.1%(小数点第二位四捨五入)
となります。
年利に換算しても約1.6%、普通預金利息が0.02%ですので、差は歴然です。
このようにして、「節税」と「生命保険」を交えることにより、さらに「運用利回り」を良くすることができます。
ご自身のご契約はどのようになっているか、ぜひ一度ご確認いただき、「運用」として活用してみてください。
不明点等ございましたら、質問ページよりご連絡いただけると幸いです。
※上記の内容は、平成26年11月2日時点の法律に則って記載しております。
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