生命保険料控除の節税ケース3~医療保険の見直し~
さて、前回は「個人年金」について記載させていただきました。
そして関係ないですが、本日から私入院しております。
ちょうど医療保険が役立ちますので、今回は「医療保険の見直し」についてのケースをご案内させていただきます。
医療保険で生命保険料控除を受けよう!
平成24年1月1日以降に加入した医療保険に対しては、生命保険料控除(介護医療用)が受けられるようになりました。
つまりは、それ以前に医療保険に加入していた方は、「見直し」を行うことによりメリットが生じる可能性があります。
医療保険に加入をしていない方は、若いうちに加入しておくことをおススメします。
「高額療養費」という制度で、条件によりますがかなり高額の医療費を支払った場合はお金が戻ってきます。
詳しくはまた後日記載するとしまして、つまり、貯金をしっかりしている人は医療保険に加入する必要がないということです。
しかし、そこまで蓄えがない場合ですと、年齢が若いうちであれば保険料はかなり安いですので、若いうちだけ加入するという方法をとってください。
あくまで最低限でいいという場合は、「こくみん共済」という制度が各都道府県で実施されておりますので、お近くの郵便局や銀行、市役所等でご確認ください。
ちなみに、「こくみん共済」に加入されている場合は、1年ごとの契約更新ですので、自動的に控除が受けられるようになっていますのでご安心ください。
医療保険の見直しを検討しましょう!
それでは、実際に私が行った「医療保険の見直し」をご説明させていただきたいと思います。
以前より加入しておりましたのは、入院保障(災害・疾病)日額10,000円、七大生活習慣病特約日額10,000円、手術給付金200,000円の単純な医療保険でした。
基本的に見直しをする必要がないと思われる方が多いと思います。
しかし、平成24年以降に「生命保険料控除(介護医療用)」ができたことにより、同じ保障内容でも契約し直すほうがメリットが出る場合があります。
それだけではなく、時が経過するにつれ、新しい「医療保険」がたくさん出ております。
今までより安い保険料で、今までより良い保障も増えております。
私は見直しの際に、「先進医療特約(上限2,000万円)」を月額126円で追加しました。
以前加入していた医療保険は月額4,430円支払っていました。
そのうち、半分を解約し、新しくその半分と同額の保障プラス「先進医療特約」を、月額2,378円で契約しました。
つまり、「4,430円÷2+2,378円=4,593円」が新しい医療保険料の合計額です。
実際には月額163円×12ヶ月=1,956円の保険料支払いが増加しておりますが、「生命保険料控除(介護医療用)」が受けられるようになるため、本当は損をしていないのです。
いったいどれだけのメリットが生じるのかを計算してみましょう。
見直しのメリットを計算してみよう!
新しい医療保険が「月額2,378円×12ヶ月=年額28,536円」です。
生命保険料控除の計算を行いますと、
所得税「28,536円×1/2+10,000円=24,268円」「24,268円×所得税率5%=1,213→1,200円」
住民税「28,536円×1/2+6,000円=20,268円」「20,268円×住民税率10%=2,026→2,000円」
となり、合計「1,200円+2,000円=3,200円」の節税となります。
「3,200円ー1,956円=1,244円」と、それほど大きなメリットは出ておりませんが、収入が大きい方ほど所得税率は上がりますので、メリットはどんどん大きくなります。
それよりも、見直して追加した「先進医療特約」が無料で加入できた、というほうがメリットが大きく感じるでしょうか。
保険の見直しと聞くと、減らすか増やすかで考えてしまいがちですが、「保障」を増やして「保険料」を減らすという選択肢もあることを、頭に留めておいていただけると幸いです。
※上記の内容は、平成26年11月4日時点の法律に則って記載しております。
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