おじいちゃん、おばあちゃんに学費を払ってもらったら、それは贈与です!
さて、前回は「贈与」とは何かについてご説明させていただきました。
今回は、前回案内しておりましたとおり、祖父母に学費を払ってもらっている方必見!それは贈与になりますよ、という内容です。
学費の支払いも贈与になるの?
いきなり本題です、今まではおじいちゃんやおばあちゃんが支払う学費が贈与になるかどうかは曖昧でした。
国税庁としても目をつぶっていた部分もあるのでしょう。
元々法律でも「扶養義務者(両親など金銭面の面倒を見る人)から支払われた教育費等」は贈与にならないと決められています。
ですが、一般的に祖父母が扶養義務者というケースはそれほど多くありません。
そして、「平成25年4月~平成27年12月31日までの間にある一定の要件を満たせば、おじいちゃんやおばあちゃんからの教育資金の贈与も1,500万円までは税金をかけませんよ」という法律ができてしまいました。
逆に言えば、これ以外での教育資金の受け渡しは「贈与」になりますよ、と読み取れる法律なのです。
贈与になったら良くないの?
おじいちゃん、おばあちゃんに学費を支払ってもらうのが贈与になったら何なの?とお思いかもしれません。
実は一定以上の金額を贈与した場合、それに対して税金がかかるのです。
いくら以上支払った場合に税金がかかるかなどは、次回以降に説明させていただきます。
問題なのは、無意識に脱税してしまう可能性があることです。
学費の支払いが贈与になるかどうかなど、意識している人は少ないと思われます。
しかしながら、贈与が発覚した場合、祖父母が亡くなり相続税の調査が入った場合など、後々見つかった際には「贈与税」という税金を「本来支払う必要があった税額以上」に支払わなければならなくなります。
あまりに悪意のある脱税の場合であれば、懲役を科せられることもあります。
極端に言えば、おじいちゃんおばあちゃんのやさしさが、あなたを犯罪者にする可能性があるのです。
それを回避するためにも、「祖父母に学費を支払ってもらった場合は贈与になる」という事実をしっかりと覚えておいてください。
意識して節税する人もいれば、無意識に脱税してしまう人もいます。
後々取り返しのつかないことにならないためにも、しっかりと税金に関する知識を身に付けてくださいね。
次回は、「贈与税ってなあに?」を説明させていただきます。
※上記の内容は、平成26年11月13日時点の法律に則って記載しております。
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