受け取れる年金額はどうやって計算するの?
さて、年金の内容を続けておりますが、今回はその中でいただいた質問に対して書かせていただきます。
受け取れる年金額はどうやって計算するの?
受け取れる年金額は、そもそも厚生労働省が決定しており、それに対して加入期間を加えて計算し、あなたの受取額を決定します。
前回記載いたしましたとおり、満額受け取るには40年(480ヶ月)の加入期間が必要です。
その40年の加入期間を満たしている場合、平成26年4月から平成27年3月までの1年間は772,800円の国民年金(老齢基礎年金)を受け取ることができます。
これは毎年変更されますので、平成27年4月から平成28年3月までは、1年間で780,096円の年金額にする、と厚生労働省が発表しています。
よほどのことがない限り、この金額で決定すると思われます。
さて、話を戻しましょう。
40年加入期間がある方は、2ヶ月に1度上記の金額の6分の1の金額(平成27年3月までであれば128,800円)を受け取ることができます。
しかし、加入期間がそれに満たない場合で、「追納」をしない場合であれば、計算方法は変わってきます。
少し複雑ではありますが、見ていきましょう。
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受け取れる年金額を計算してみよう!
最近では、年金定期便が届くようになり、計算式もそちらに記載されておりますので、比較的わかり易くなりました。
計算式は以下のとおりです。
「年金額(満額)×(保険料納付済月数+全額免除月数×1/3+3/4免除月数×1/2+半額免除月数×2/3+1/4免除月数×5/6)/480月」
とんでもなく複雑に見えますが、免除を受けたことがない方は、「年金額(満額)×保険料納付済月数/480月」で計算できますので、かなり簡単です。
例えば、平成27年4月から受け取る年金の場合で、納付月数が30年(360ヶ月)だった場合で計算してみましょう。
「780,096円×360ヶ月/480月」=585,072円 となります。
満額の場合は2ヶ月に1度130,016円が受け取れるのに対し、30年の場合は97,512円となります。
こうやって見てみると、やはり満額受け取りたいですね。
しかし、すでにお気づきの方も多いと思いますが、年金額は「満額が何円になるか」で大きく変わってしまうのです。
受け取れる年金の満額は増えるの?減るの?
実は、年金の満額は平成11年(1999年)までは増え続けておりました。
しかし、バブル崩壊からデフレ突入への煽りを受けてか、そこから少しずつ減って増やしてを繰り返しているのです。
平成11年年4月からの1年間は満額804,200円、平成16年4月からは満額794,500円でした。
平成23年4月からは満額788,900円、平成26年4月からは満額772,800円です。
そして、今回(まだ予定ですが)かなり久しぶりに増額改定が行われます。
経済対策の効果と言って良いかはさておき、これで将来的に年金受取額が増える可能性も出てきました。
新しい改正で10年支払っていれば受け取れるだろう国民年金、納付不足がある場合は今からでも納めてみると、将来思わぬ金額になるかもしれませんよ。
思わぬ金額というのが、増えてか減ってかは分かりませんけどね(笑)
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※上記の内容は、平成27年3月2日時点の法律に則って記載しております。
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