公的年金ってなあに?《遺族年金》
さて、今回も引き続き年金について書かせていただきます。
今回は「遺族年金」について見ていきましょう。
遺族年金ってなあに?
配偶者、又は親など、一家の大黒柱が亡くなった場合などに支給されるのが「遺族年金」です。
国民年金から支給される「遺族年金」には、「遺族基礎年金」「死亡一時金」「寡婦年金」があります。
厚生年金から支給される「遺族年金」には、「遺族厚生年金」「中高齢寡婦加算」があります。
「遺族基礎年金」から見ていきましょう。
これは、死亡した人が国民年金の被保険者であるとき、又は被保険者であった人で60歳以上65歳未満の国内に居住している人が対象です。
そして、「障害年金」と同じように保険料納付用件(滞納期間が3分の1未満)を満たしている場合に支給されます。
受給できる遺族は亡くなった人と生計維持関係にあった「子」または、「子」のある妻が対象です。
続けて、「死亡一時金」と「寡婦年金」を見ていきましょう。
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死亡一時金と寡婦年金について
「死亡一時金」とは、国民年金の第一号被保険者が保険料を3年以上納付していたが、年金を受け取らないまま亡くなってしまった場合で、遺族が遺族基礎年金を受け取ることができない場合に、遺族に対して支給される年金です。
「寡婦年金」とは、国民年金の第一号被保険者で老齢基礎年金の25年の受給期間を満たした人が亡くなり、かつ遺族基礎年金の対象となる「子」がいない場合に、年金が掛け捨てにならないように残された配偶者が受け取ることができる年金です。
10年以上の婚姻関係があった場合に、60歳から65歳までの間に受け取ることができます。
そして、この2つを両方受給できる場合には、どちらか一方を選択する必要があります。
次に、「遺族厚生年金」と「中高齢寡婦加算」を見ていきましょう。
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遺族厚生年金と中高齢寡婦加算について
「遺族厚生年金」は、厚生年金の被保険者が死亡したとき、障害厚生年金、老齢厚生年金の受給権者が亡くなった場合などに支給されます。
そして、受給できる遺族は、亡くなった人と生計維持関係にあった配偶者、子、両親、孫、祖父母です。
「中高齢寡婦加算」とは、厚生年金に加入している人が亡くなった際に40歳以上で子のいない配偶者が40歳から65歳になるまで受け取ることができる年金です。
しかし、「遺族基礎年金」を受給している場合には、「中高齢寡婦加算」は支給されません。
「遺族厚生年金」を受け取る場合、65歳に達するまでは「遺族厚生年金」か「特別支給の老齢厚生年金」のどちらかを選択して受け取ることになります。
さて、小難しいことを書きましたが、要は「亡くなった場合の年金の種類は1つではない」ということだけでも覚えておいてください。
選択肢があり、「一番多くもらえる選択にしてください」と伝える必要があることだけでも、頭の片隅に置いておいていただければ幸いです。
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※上記の内容は、平成27年4月3日時点の法律に則って記載しております。
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