所得税の課税対象って?~給与所得~2
さて、前回の続きです。お給料の中の「現物給与」とされる、所得税の「課税対象」にならないものを見ていきましょう。
8、永年勤続者表彰費用
→記念品、旅行招待費で、社会通念上相当な金額の範囲内で、おおむね10年以上の在職者に5年以上の間隔をおいて表彰されるものは非課税、お金で渡されるものは課税(海外旅行の場合、勤続20年でおおむね10万円、勤続30年でおおむね20万円までであれば非課税)
9、慰安旅行
→旅行期間が4泊5日以内で、参加者が全従業員の50%以上であり、社会通念上相当の費用であれば非課税
10、住宅の取得に伴う利子
→お勤め先から自宅購入の資金を借りて、利子が1%以上の場合は非課税。また、銀行等から自宅購入の資金を借りて、お勤め先がその利子を負担する場合、利子が1%を超える場合も非課税。
11、少額の保険料等
→お勤め先が負担する月額300円以下の保険料(役員のみを対象とする場合は課税)
12、損害賠償金等
→お勤め先に業務遂行に関連し、本人の故意又は重過失でない場合の損害賠償金等の補填は非課税。
13、商品等の値引販売
→取扱商品等の値引き販売で、仕入額以上かつ他への販売価額の70%未満でないこと、役員・使用人の全部について値引率が一律であること、販売数量が一般消費者として通常の消費量であること、これら全てを満たす場合非課税。
14、社宅の家賃
→複雑ですので、興味のある方はこちらをどうぞ(国税庁HP)
さて、前回から今回にわたって項目を全て記載しました。知ってるよ、というものから、何のことやら、というものまであると思います。13番などは、アパレルショップ店員の場合、そのショップの服が50%オフで買えたりしますよね。14番は、家賃の50%を会社が負担、なんていう話も聞きます。
さて、何が一体「6つの項目」に該当するのか、というところですね。個々に見ていくのは正直かなり難しいです。
なので、今回は簡単な方法で見ていきたいと思います。(え?!上に14個書いたのは何?!!という質問はご遠慮願います笑)
簡単に確認する方法は、「給与明細」を見るという方法です。
「給与明細」には「支給」「支払い」という項目と、「控除」という項目が設定されていることが多いです。
ご存知のとおり、前者がもらえる金額(基本給、残業手当など)、後者がそこから差し引かれる金額(社会保険、所得税、住民税など)です。
「支給」「支払い」という項目に記載されている手当などは、所得税の「課税対象」です。
「控除」という項目に「マイナスで記載」「返金と記載」されているものは、非課税となります。
例えば、研修参加費3,000円を翌月のお給料に加算してお勤め先が払ってくれる場合、「給与明細」の「支給」「支払い」項目に研修参加費3,000円が記載されている場合は、「課税対象」ですので、「6つの項目」の2番に該当し、「サラリーマンでも認められる経費(特定支出控除)」となります。
ですが、「控除」項目に金額が記載されている場合は非課税で、所得税はかかりませんので、「6つの項目」には該当せず、経費としては認められません。
お勤め先が間違うことはほとんどないと思いますが、お手元の「給与明細」を見て上記内容を14個書いた内容と照らし合わせてみてください。
もしかすると、多めに税金を納めているかもしれませんよ?!!
今回は複雑すぎましたね。。。次回からは、「節税」特集に入っていきたいと思います。お楽しみに♪
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※上記の内容は、平成26年9月23日時点の法律に則って記載しております。
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